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言葉が出なくても、音は残る――脳梗塞と失語症を乗り越えた「奇跡の授業」から学ぶこと

朝、普通に目を覚ましたはずなのに、突然「言葉が出ない」。
黒板の文字が「パッと消された」ように見える。文字があるはずの空間さえ分からない。

そんな状況から人生が大きく変わってしまう――。
今回紹介するのは、元・音楽教諭の大浜安功さんが、脳梗塞による失語症を経験しながらも、高校生の前で「夢を諦めない心」を語った話です。


目次

目が覚めたら、言葉が消えていた

大浜さんは3年前に脳梗塞で倒れました。
目が覚めたとき、本人が感じたのは次のような衝撃です。

  • 言葉が出ない
  • 文字が分からない
  • 黒板の字が消えたように感じる

「失語症」は、単に“しゃべれない”だけではありません。
話す・聞く・読む・書くのどこか(または複数)がうまく働かなくなることがあります。周囲が想像する以上に、日常のあらゆる場面で困りごとが増えます。


失語症の経験を「曲」に変えた

講演で大浜さんは、自分の体験をもとに作詞作曲した曲を披露しました。
言葉に詰まりながらも、高校生にこう呼びかけます。

どんな困難があっても、夢を諦めずに前に進もう

生徒たちの反応も印象的です。

  • 「大切な音楽が一瞬失われかけたのに、それを歌に変える強さに感動した」
  • 「きついことがあっても、諦めずに頑張れば夢は叶うと思った」

ここには、ただの“感動話”では終わらない大事な学びがあります。
失ったものを嘆くだけでなく、残った力で新しい表現を作る。それが人の回復力です。


右脳と左脳の話:失語症は「左脳」が関係しやすい

失語症は多くの場合、左脳の言語ネットワーク(言葉の処理に関係する部分)が傷ついて起こります。
その結果、

  • 言葉が出にくい
  • 相手の言葉が理解しにくい
  • 読み書きが難しい

といった症状が出やすくなります。

一方で、右脳は次のような力に関わることが多いです。

  • 音楽の「感じ」(メロディ・リズムの全体)
  • 表情や声の調子など、感情のニュアンス
  • 図形・空間の把握、イメージ

つまり、左脳の言葉が苦しくなっても、右脳の力が比較的保たれていれば、
音楽・絵・身ぶり・表情などで「伝える道」が残ることがあります。

大浜さんが“曲”という形で自分の経験を伝えられたことは、まさにこの可能性を感じさせます。
もちろん脳は左右で完全に分業しているわけではなく、実際は常に連携しています。しかし「言葉が難しくても、別の表現が生きる」ことは十分起こります。


この話から学べること

私は、このエピソードの中心は次の3点だと思います。

  1. 脳の障害は、ある日突然起きる(誰にとっても他人事ではない)
  2. 失語症は“言葉だけ”の問題ではなく、生活全体に影響する
  3. それでも、残った力を使って新しい表現は作れる(右脳的な表現も含めて)

まとめ:夢を諦めないとは、「別ルートを探す」こと

「夢を諦めない」という言葉は、根性論に聞こえることがあります。
でも大浜さんの話は違います。

  • 以前と同じやり方ができないなら
  • 別の伝え方別の道をつくる
  • それでも前に進む

これが本当の意味での「夢を諦めない」なのだと思いました。

私の特許も見て下さいね。

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