ウクライナ侵攻を続けるプーチン氏、台湾統一を掲げる習近平氏、そして「アメリカを再び偉大に」と叫び返り咲いたトランプ氏。
世界を大きく揺るがしているこの3人の指導者には、ある共通点があります。それは、「過去の栄光を取り戻したい」という強烈な意志と、70代を超えた「脳」の特性です。
なぜ彼らは、これほどまでに強硬で、時に暴走しているように見えるのか? その理由を、脳科学的な視点である「エンジンとブレーキ」の関係から紐解いてみます。
1. 彼らを突き動かす「レコンキスタ(失地回復)」の衝動
まず、彼らの行動の根底にあるのは、「失ったものを取り戻したい」という強烈な感情です。
- プーチン氏: かつてのロシア帝国やソ連のような強大な力を取り戻したい。
- 習近平氏: 「中華民族の偉大な復興」を掲げ、昔の強い中国に戻りたい。
- トランプ氏: 「MAGA(Make America Great Again)」で、輝けるアメリカを取り戻したい。
これを歴史用語で「レコンキスタ(失地回復)」と呼びます。 では、この強烈な渇望は脳のどこから来ているのでしょうか?
2. 脳内の「エンジン」と「ブレーキ」
人間の脳は、大きく分けて「古い脳」と「新しい脳」が共存しています。
① エンジン役:大脳辺縁系(古い脳)
脳の奥深くにある部分です。「悔しい」「勝ちたい」「怖い」「許せない」といった、人間が動物として持っている本能的な感情を生み出します。ここが、彼らの「取り戻したい!」という強烈なエネルギーの源泉です。
② ブレーキ役:前頭前野(新しい脳)
脳の表面にある、理性を司る部分です。「今は我慢しよう」「国際ルールを守ったほうが得だ」「損得を考えよう」と計画し、感情の暴走をコントロールします。
通常、大人の脳はこの2つがバランスを取り合っています。しかし、彼らの場合はどうでしょうか。
3. 老化で「ブレーキ」が効かなくなる?
ここで重要なのが、彼らが全員「70代以上(あるいはそれに近い世代)」であるという点です。
一般的に、人間は老化すると、理性を司る「前頭前野」の機能が変化します。 これを専門用語で「認知的硬直性」と呼びます。
若い頃なら、エンジン(感情)が暴走しようとしても、ブレーキ(前頭前野)がしっかり効いて、「いや、ここで戦争をするのはリスクが高すぎる」と柔軟に考えることができます。
しかし、高齢の指導者の場合、ブレーキパッドが摩耗して効きにくくなっているような状態に陥りやすくなります。 つまり、「昔の栄光を取り戻したい!」というエンジンの熱量は凄まじいままなのに、それを止める柔軟な思考やブレーキが機能しなくなっているのです。
4. 「ボケ」ではなく「確信犯」
誤解してはいけないのは、彼らは決して「判断力がなくなった(ボケてしまった)」わけではないということです。
むしろ、長い政治経験の中で培われた「俺たちの国はこうあるべきだ」という歴史観が、脳の中でカチカチに固まり、「確信」に変わっています。
彼らの前頭前野は、感情を抑えるためではなく、「どうやってその野望(感情)を実現するか」という作戦を練るためにフル稼働しています。
- エンジンの熱: 「奪われたものを取り戻す」という怒りや執着(大脳辺縁系)
- ブレーキのゆるみ: 他人の意見を聞かない、修正しない(前頭前野の硬直化)
- 確信の強さ: 「自分が正しい」という強固な思い込み
この3つが組み合わさった時、世界を巻き込む「強烈な意志」が完成するのです。
まとめ
私たちがニュースで彼らの言動を見て、「なぜそんな非合理なことをするのか?」「損得で考えればわかるはずなのに」と首を傾げることがあります。
しかし、彼らの原動力は「損得」ではなく、脳の奥底から湧き上がる「失地回復への執念」であり、それを止めるブレーキは年齢とともに錆びついています。
この「70代の脳」のメカニズムを理解することこそが、今の不透明な国際情勢を読み解く一つの鍵になるのかもしれません。






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