私たちが「老けた」と感じるのは、シワやシミ、白髪、骨の弱り、もの忘れなど、目に見える変化が出てきたときです。では、その根本原因はどこにあるのでしょうか。
糖尿病専門医の牧田善二さんは「ヒトは血管から老いる」と断言します。そして、その老化を加速させる元凶が「AGE(終末糖化産物)」です。
ヒトは血管から老いる
血管は酸素や栄養を全身に届けるライフライン。ところが、血管が老化すると動脈硬化が進み、心筋梗塞や脳卒中、さらには糖尿病の合併症までも招きます。つまり血管の劣化は、全身の老化を連鎖的に引き起こすのです。
老化を加速させるAGEとは?
AGE(Advanced Glycation End Products)は、タンパク質と糖が結びついてできる物質。料理で玉ねぎを炒めて褐色になる現象(メイラード反応)と同じことが、体内でもゆっくり進行します。
AGEが体にたまると、タンパク質が劣化し、細胞の機能が落ちていきます。その結果、肌のハリを失い、骨がもろくなり、脳の働きまで低下するのです。
AGEが引き起こす“老け”の数々
- 肌:シミ・シワ・たるみの原因
- 骨:骨粗しょう症や関節症のリスク増加
- 目:白内障の原因に直結
- 髪:老人性脱毛症や男性型脱毛症に関与
- 脳:アルツハイマー型認知症の背景にAGEが蓄積
つまり、AGEが引き起こす全身の老化と病気 です。
AGEは全身の細胞や組織に蓄積し、タンパク質を変性させることで、その機能を低下させます。変性したタンパク質は元に戻りにくく、排出もされにくいため、老化や病気のリスクを高めます。

AGEはまさに「人類最大の敵」と言える存在です。
食べ方がAGEを決める
AGEを増やす最大の要因は「高血糖状態」。
甘い物や炭水化物の摂りすぎで血糖値が上がり続けると、体内のAGEは加速度的に増えます。逆に、血糖コントロールができれば、AGEの蓄積は防げます。
つまり、老化を遅らせるカギは「何を食べるか」だけでなく「どう食べるか」にあるのです。
酸化との二重攻撃
AGEは酸化ストレスとも深く結びついています。糖化(AGE化)が進むと、抗酸化システムが弱まり、活性酸素の害を防げなくなります。結果として酸化と糖化が相乗的に進み、老化が一気に加速してしまいます。
どう対策すべきか
- 食生活:糖質のとりすぎを避ける、AGEを多く含む“焦げた食品”を控える
- 紫外線対策:肌や目のAGE化を防ぐ
- 運動と睡眠:抗酸化力を高める
- ストレス管理:ホルモンバランスを整える
これらを早期から習慣にすることが、将来の健康寿命を延ばす決め手になります。
要約
AGE(終末糖化産物)は血管・肌・骨・脳など全身の老化を加速させる。糖質の摂りすぎや焦げた食品が主な原因であり、生活習慣によってその蓄積スピードは大きく変わる。
学び
老化は避けられないものではなく、「食べ方」「生活習慣」によって進行を抑えることができる。AGE対策こそ、心身を若く保つための最前線である。
新しい視点
これまで「美容」「脳」「骨」など別々に語られてきた老化現象は、実はAGEという共通のメカニズムでつながっている。老化を“全身ネットワーク”として捉えることで、より効果的な予防法が見えてくる。
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