2025年– date –
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日本とアメリカ:「空気を読む文化」と「言葉で伝える文化」
──違いを越えてAI時代に向き合うために 国や言語が違えば、文化や価値観も大きく異なります。とくに、日本とアメリカは多くの点で「対照的」といわれます。 礼儀正しく、相手の気持ちを察し、控えめにふるまう日本人。率直に自己主張し、合理的に物事を進... -
人間と生成AI:「知識」と「知恵」の分かれ道
〜前頭前野が生み出す文脈理解とは何か〜 2024年から2025年にかけて、生成AI(特に大規模言語モデル)が社会のあらゆる分野に急速に浸透しています。ビジネス、教育、医療、行政、そして創作の現場にまでAIが進出し、人間の「知能」と肩を並べるような印象... -
「あまり良くない食品は少ない方がいいです!」と言ってくれるメガネがあったら──肺がんリスク41%上昇という新研究から考える
最近、「超加工食品を多く摂取すると、肺がんのリスクが41%も上昇する可能性がある」という衝撃的な研究が発表されました。ソフトドリンク、スナック菓子、冷凍食品、加工肉など、現代の食卓には欠かせないこれらの食品が、私たちの健康に思っている以上... -
高次脳機能障害は“勝者なき未開の市場”である
~誰もが見過ごしてきた、社会変革の金鉱~ はじめに 私たちの社会には、“まだ誰も勝者になっていない”分野が存在します。ビジネスの世界では、それを「未開の市場(ブルーオーシャン)」と呼びますが、単に市場規模が大きいというだけでなく、社会の無関... -
特許事務所の多様な世界と、私が目指す“社会を支える特許”
特許事務所と一口に言っても、その在り方や価値観は実にさまざまです。私はこれまで複数の特許事務所で実務を経験し、それぞれの方針や考え方に触れてきました。その中で感じたのは、「同じ“特許”という仕事でも、求められる役割や評価軸は事務所ごとに大... -
脳はどうやって“省エネ”になるのか?──学びをラクにする5つの工夫
英語のシャドーイングをしていると、ふと「脳が熱くなるような感覚」を覚えることがあります。たくさん考えたり、音を真似したり、意味を取ろうとしたり──。それは、脳のさまざまな領域が同時に動いている証拠です。 でも、同じ作業でも、英語上級者やネイ... -
英語をシャドーイングすると、なぜ脳が「熱くなる」のか?──科学と体験で読み解く“脳トレ”の正体
「英語をシャドーイングしていたら、頭が熱くなった感じがする…」 英語学習者なら、一度はそんな経験があるかもしれません。音声に合わせて即座に英語を発話する“シャドーイング”は、確かに集中力も体力も消耗します。そしてその最中、まるで脳に熱がこも... -
「特許事務所は斜陽産業か?」──私が選んだ“障害者支援×特許”という未来
「特許事務所は斜陽産業ですか?」 こんな問いが、最近では現実味を帯びて語られるようになってきました。特許の世界に身を置く者として、この言葉には無視できない現実が含まれています。 ■ 特許事務所の“斜陽化”が進む理由 かつては、「モノづくり大国・... -
「第二の脳」を育てる食事が、脳を目覚めさせる:“腸脳革命”がもたらす新習慣
脳のパフォーマンスを最大限に引き出すにはどうすればよいか。睡眠、運動、ストレス管理など、脳科学や健康分野では多くのアプローチが提案されています。しかし、意外と見落とされがちな“鍵”があります──それは「腸」、つまり第二の脳と呼ばれる臓器です... -
「先生」と呼ばれたくない理由──吉田松陰の「君」に学ぶ、敬意のかたち
「先生、お世話になっております」 そんなふうに、私がメールや会話の中で呼ばれることがよくあります。私の職業は「弁理士」。確かに、国家資格を持ち、知的財産に関する専門知識をもとに、発明や商標、著作権などの保護を支援する仕事をしています。法律... -
高次脳機能障害があっても、道は必ず開ける!
「高次脳機能障害とは、まず周囲がその症状に気づくことが重要です。」 この言葉は、脳外傷サバイバーであり、当事者支援にも尽力されている橋本圭司さんのものです。私はこの一文に深くうなずきました。なぜなら、私自身も「高次脳機能障害のある弁理士」... -
速読は、なぜ初心者は脳をフル稼働し、ベテランはほとんど使わないの?
速読といえば、「たくさんの情報を短時間で読む」能力。ですが、あなたは「速読中の脳」がどう働いているか、考えたことはあるでしょうか? 実は、脳科学の世界では、初心者とベテランで“脳の使い方”がまるで違うことが明らかになっています。 今回は、fMR... -
理解から支援へ。「高次脳機能障害者支援法」で社会を変える
高次脳機能障害とは、脳卒中や交通事故、脳炎などで脳が損傷を受けた後、言葉がうまく出てこなかったり、集中力が続かなかったり、感情のコントロールが難しくなったりする障害です。一見、外見では分かりにくいため、「見えにくい障害」とも言われていま... -
運動で高次脳機能障害を防げる?──ウォーキング・自転車・エアロバイクの効果を科学的に解説
継続的な有酸素運動 「最近、物忘れが増えた気がする」「話がうまくまとまらない」「注意力が続かない」——それはもしかすると、高次脳機能の低下が始まっているサインかもしれません。 高次脳機能障害とは、脳の損傷や老化、病気などにより、記憶・判断・... -
「1日7000歩」は本当に必要?──自転車やエアロバイクでも同じ効果はあるのか?
「1日1万歩歩きましょう」と言われたこと、ありませんか? しかし実際、忙しい毎日を送っていると、1日1万歩というのはなかなかハードルが高い数字です。そんな中、「1日7000歩で死亡リスクが約半減する」という研究結果が発表されました。 では、この「70... -
スマホの次は「メガネAI」? 目の前に広がる次世代インターフェースの可能性
「手で持つ時代」から「身につける時代」へ 私たちは今、スマートフォンを日常の中で当たり前のように使っています。調べ物をする、写真を撮る、ナビを使う、SNSでつながる。あまりにも多くの機能がスマホ1台に集約されており、それがポケットに収まってい... -
鍼灸は、脳を再びつなぐ鍵となるのか──高次脳機能障害と失語症に挑む「針」の力
脳卒中や事故などで脳にダメージを受けると、「高次脳機能障害」や「失語症」といった、目には見えにくい障害が残ることがあります。私自身も、その一人です。 「聞こえているのに意味がつかめない」「話そうとしても言葉が出てこない」「記憶がふわっと消... -
「57歳・70歳・78歳」に脳がガクッと老化する理由──AIで見えた“脳とタンパク質”の不思議な関係
「年を取ると物忘れが増える」「最近、言葉が出にくい気がする」「何となく頭が重い」。こんな感覚を抱いたことはないでしょうか?これらは単なる気のせいではなく、実際に「脳の老化」が進んでいるサインかもしれません。そして、その老化は、ある年齢の... -
高次脳機能障害と未来のコミュニケーション:言葉を超えたつながり
言葉を超えたつながり 私は高次脳機能障害、特にウェルニッケ失語を抱えています。この障害は、脳の言語理解を司る領域に損傷があるため、他者の言葉を理解したり、自分の考えを正しく伝えることが難しくなります。日常のちょっとした会話ですら、集中力や... -
困りごとから生まれる発明
(1)障がい者の「困りごと」や「つらさ」から発明の芽が生まれる 障がいの中でも、特に高次脳機能障害や失語症のような「目に見えにくい障がい」は、周囲から理解されにくく、ご本人が深い孤独や不便を感じることがあります。たとえば、「言いたいことが... -
「あの音」が記憶に残る理由──ジョン・ウィリアムズと音商標の共通点
音を聞いただけで、「あ、あの映画だ!」とすぐに分かることがあります。 たとえば映画『E.T.』や『ジュラシック・パーク』。あるいは『スター・ウォーズ』『ハリー・ポッター』。これらの名作映画の音楽を手がけたのは、アメリカの作曲家ジョン・ウィリア...